建設現場で「早い」「丁寧」「安全」な仕事を実現するために欠かせない存在―それが足場です。
「足場=安全のための設備」と思われがちですが、実は足場の設計や組み方ひとつで工事全体のスピードと効率が大きく変わることをご存知でしょうか?
今回は、足場が現場の“時間管理”にどのように貢献するのかを、職人目線・発注者目線の両面から解説します。
目次
「足場が速さを決める」は本当だった
足場が早ければ現場も早い―この言葉は、実は現場の常識です。
例えば外壁塗装の場合、
・職人が高所に移動する
・塗装道具を運ぶ
・細部を丁寧に塗る
といった一連の作業を足場を通じて行います。
その足場が
- 狭い
- 動線が複雑
- 高さや角度が作業に合っていない
場合、ひとつひとつの動作に時間がかかり、作業効率がガクンと下がるのです。
⏱️ ある塗装職人の話:
「足場の幅があと10cm広かったら、1日で終わってた仕事が2日かかったこともあります」
効率の良い足場は、時間のムダをなくし、工程の遅延リスクを抑える“仕組み”でもあるのです。
スピードだけじゃない!無駄なコストも削減
足場の質が低いと、以下のような“見えないコスト”が発生します。
- 職人の移動時間の増加
- 資材の運搬効率の悪化
- 作業のやり直しや手戻り
- 工期延長による人件費・仮設資材費の増加
つまり、現場に最も適した足場施工でないと、施工費とは別に“じわじわと経費が膨らむ”要因になってしまうのです。
小林建設では、足場設計の段階から「作業者・工程・動線・安全・コスト」の5要素を一体で考え、
現場の動きに即した足場を組んでいます。
小林建設の「スピードを生む足場」3つの工夫
① 動線を意識した通路設計
現場での作業動線を事前にシミュレーションし、
「塗装職人が1日のうち何度も通る場所」
「資材の仮置き場に適した位置」
「すれ違いが発生しやすい通路」
などを反映した設計を実施。
➤ 動線が最適化されることで、1日あたりの作業量が平均20%以上アップするケースも。
② 作業ごとの高さ・位置に対応した段差調整
屋根工事・板金工事・高所塗装など、作業内容によって必要な高さやスペースは異なります。
- スレート屋根に足場を“合わせて組む”
- 外壁の目地高さに合わせて“作業台を調整”
- 水切りや軒先に“専用足場板”を設置
など、現場特有の作業環境にぴったり合った足場を提供することで、無駄な体勢・移動を削減します。
③ スケジュール管理と足場解体の効率化
足場の設置〜解体までを自社で一貫管理することで、
「足場の解体が間に合わず次工程に入れない」といったトラブルを防ぎます。
また、各工程の責任者と直接連携する調整力により、
「午前で解体完了→午後から最終検査」といった、タイトなスケジュール対応も可能に。
こんなところでも“足場の効率”が活きている!
- 住宅密集地の現場では、資材搬入・足場組立の順番次第で現場のスムーズさが決まる
- 天候リスクが高い時期(梅雨・台風前)は、1日の遅れが数日分のズレになるため、速さと精度の両立が重要
- 外部との連携(設備・太陽光・点検業者など)を見越して設計すれば、後からの手戻りも減少
足場の段取りがしっかりしていると、こうした課題にも柔軟に対応できるため、
結果的に「ちゃんとやってくれて助かった」と感じてもらえる現場になります。
まとめ|足場は“速さを設計する工程”でもある
足場は、安全のためだけでなく、現場全体を効率よく進めるための“戦略”そのものです。
「うちはスピード命!」という業者こそ、実は足場に一番気を遣っている―
そんな現実をぜひ知っていただけたらと思います。